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【ウチごはん:011】『重ね煮』という料理手法のメリット 〜料理は手間なく、カンタンに美味しく〜

友人宅で『重ね煮』という調理法を聞いたのは、かれこれ半年前。
野菜が美味しく食べられて、不器用な人でも美味しく作れる調理法ときき、これは是非やってみたいと思っていました。

野菜やキノコなど、そのまま食べても良いし、他の料理にも使える重ね煮とはいったいどんなものなのか?
実際に作ってたべてみて、その魅力をお伝えしようと思います。

※この記事は、2012年12月に、ブログ「Design × Lifehack × CrossOver Lab」にて公開した記事を元に再編集してお届けします。

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『重ね煮』との出会い

重ね煮に出会ったのは友人宅ででした。温野菜とはちがった、野菜のうまみが残っている…そんな感じだったと記憶しています。

以前、友人は地方で重ね煮のワークショップを行っていたらしく、参加した方達と一緒に作って食べて喜んでもらえたそうです。

なるほどなるほど…なんか面白そうですねぇ…と、興味を持っていました。

と言ったものの、実際に作って見たことがなかったので、今回何故か作りたくなってきたので、重ね煮の起源や仕組みなどを調べてみました。

『重ね煮』とは?

ネットで調べて見ると、以下のような記述がありました。長崎在住の食養料理家、故小川法慶先生という方が考案された料理法とのことです。

「重ね煮」という料理法を考案したのは、長崎に住む食養料理家の故小川法慶先生(1910-1994年)です。小川先生は東洋の思想、陰陽調和(※)の考えを生活に反映させ、正しい料理法、正しい食事法の普及と実践に尽力されました。「料理は自然界と私たちの命をつないでいるもの。だからこそ自然に対して畏敬の念と感謝の心で接し、愛情をもって料理をすることが大切である。そのことを心がけ実践したときに、人は幸福感に満たされ、健康も得られる」と考え、この考えに基づいて重ね煮の調理法が生み出されたのです。

via: 重ね煮のはじまり | 野菜がとびきり美味しくなる「重ね煮」

『重ね煮』の仕組み

戸練さんのサイトに、重ね煮のしくみの説明がありました。

重ねた野菜に弱火で熱を加えると、鍋の下の方に入れたなすやトマトなど上に伸びる性質の野菜たちは、熱によって上に行こうとする力を発揮します。鍋の上の方に入れたにんじんやごぼうなど下に伸びる性質の野菜たちは、下に行こうとする力を発揮します。ジワ~っと出てきた野菜の水分が水蒸気となって対流し、それぞれの野菜の力を引き出してうま味が生まれるのです。

via: ココロとカラダが幸せになるお野菜料理 重ね煮 戸練ミナのオフィシャルサイト【重ね煮とは】

野菜達の性質を知り、一体感が生まれる調理方法。まさに映画や舞台の演出をしているようで面白いですね(*´∀`*)

重ねる順番など

重ね煮の順番は、海草、キノコから始まり、果菜類(なす、トマトなど)、葉物類(キャベツ、白菜、長ネギ)、イモ類(じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ)根菜類(たまねぎ、にんじん、ごぼう)の順番に入れて蒸します。

全部は入れる必要もなく、キノコ、タマネギ、にんじんなど、種類も少なくてもいいようです。

『重ね煮』の食べ方、使い方

重ね煮は、野菜のうまみを全開に表現させた状態(下ゆでと言った方がいいのかも)にする調理法です。そのまま塩を振って食べてもいいし、味噌や醤油をつけて食べてもいい。

他にはお味噌汁の具としても使ってもいいし、他の料理を作った時の追加の具としても使えて、しかも冷蔵庫で日持ちがする常備菜としてもいいとのこと。

実際に重ね煮を使った料理をいくつか紹介します。

重ね煮をそのまま食べる

重ね煮をおかずとして食べてみます。味付けは味噌とえごま油と万能ネギを和えたモノをつけながら食べました。

ちなみに他の食べ物は、キャベツの醤油とえごま油のドレッシングかけ、ムカゴご飯、重ね煮で作ったカボチャと、浸水したカシュナッツをミキサーにかけたカボチャスープです。

カレーの具として使う

重ね煮の得意分野でもある、調理した料理に具を追加するという方法です。今回は重ね煮で作ったイモ類を、ゆでたレンズ豆と浸水したアーモンド&クルミ、デーツを混ぜてミキサーでペーストした状態のモノを作り、重ね煮の具材と混ぜます。

そして野菜ブイヨン、塩、リンゴ、カレー粉、香辛料で味見をしてから完成です(^^)

カレーの次の日は、ほうれん草カレーに

たくさんカレーを作った場合、次の日に違う味付けをするのも面白いですよね(^^)今回はほうれん草をペースト状にしてからカレーに投入してみました。具も少し、重ね煮の野菜を追加して調整してみました。

ちなみに右下のサラダは、キュウリと大根とにんじん、ドライアンズのごま味噌ドレッシングでした。美味!❤

野菜の出汁を追加して、別の料理を追加!

ネギを一本、丸々みじん切りにしたものとニンニクを、オリーブオイルでじっくり炒めて、ネギの出汁を引き出したあとに、しめじを炒めて油が馴染んだ後、重ね煮の具材と水を投入して、くつくつ煮込んだ野菜スープです(^^)味付けは野菜コンソメと塩、バジル、コショウで!

うどんの具にも使えます!

重ね煮のスペックはそれだけではとどまりません!うどんの具としてももちろん活躍します(^^)どんこで取った出汁の中に、下ゆでした大根などの根菜と一緒に、重ね煮を入れて温める程度に出汁と馴染ませます。今回はこってりな味付けと味噌を絡ませたいと思ったので、基本ベースのスープは味噌のみで薄く味付けをしました。

そして、浸水したクルミとごま、醤油、味噌、黒糖をすり鉢ですりつぶして、ミキサーなめらかにしたごまクルミダレを作りました。
それをゆでたうどんの上にたっぷりかけて、具材をのせた後に、味噌汁出汁を追加しました。

みじん切りのショウガとネギをトッピングして完成です!もうちょっと変化をつけたかったので、大豆ミートを湯がいて、ごまクルミダレを染みこませて追加してみました(^^)

まとめ

いかがでしたか?重ね煮は仕組みと作り方を覚えれば、カンタンに野菜を美味しく食べられる調理方法です(^^)そのまま使ってもよし!追加調理してもよし!この万能な調理法「重ね煮」を、一度試して見ませんか?

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1972年生まれ。東京都八王子出身・中野区在住。食と料理を通じて、コミュニケーションを楽しむ研究をする「食と心の研究家」として活動中。おもてなし料理クリエイター集団「キッチン男子部」の顧問も。 その他にはグラフィックデザイナーと、デジタル機器やデジタルサービスを駆使して、いつでもどこでも人生を謳歌する「デジタル寅さん」として活動中。デジタルの楽しさを知ってもらうためのデジタルサポートを行っています。
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